以前、あるミネラルフェアに出かけ、国産鉱物を中心に見ていたところ、水晶山産の標本が目に付いた。
ラベルには鉄礬柘榴石と書かれていたが、特に結晶のきれいな柘榴石ではなく、塊状に近い物だった。特に興味深い標本でも無かったが、破格の安さであったこともあり購入することにした。
実はこの標本、購入時には気づかなかったのだが、鉄礬柘榴石やイットリウム褐簾石を主とする鉱物の集合体であったのだ。購入してしばらく経ってから、実体顕微鏡で見直してみるとピンク色の飯盛石が確認できた。
今となっては、安く購入した標本も貴重なものとなってしまった。
この標本は、イットリウム褐簾石の空隙に付く飯盛石の産状がよくわかると思う。