岩代石に光沢や色などが似ているエシキン石。しかも、岩代石が見つかる母岩と同じことから、結晶がはっきりしないものは岩代石との区別が付きにくい。いくつかの結晶が連晶している様子が見られれば、エシキン石であることの目印になる。この標本は水晶山産エシキン石の3つ目の産状の一つである。
結晶面の滑らかさと強い光沢は、とても強烈な印象を受ける。
結晶があまりに小さいため、ズリから掘り出した時にはその存在はわからない。見つかる可能性のある岩石を持ち帰り、顕微鏡で表面を探すのだが、なかなか見つかるものではない。それでも時には表面を洗っただけで母岩についた結晶を見いだすことがある。このような標本は1つの岩石に多数の結晶が付いている可能性があり、顕微鏡による観察にも熱が入る。
(上記化学組成は、仮にAeschynite-(Y)のものを掲載)