鋭錐石は二酸化チタンTiO2という比較的単純な化学組成で、珍しい鉱物では無い。しかし、水晶山の鋭錐石となれば、話は別である。
石英中の、かなりルーズなイットロチタン石に伴って産出し、鋭錐石特有の鋭く尖った結晶が特徴的。ギラッと輝く金属光沢を呈し、透明感は確認できない。
結晶は1mm以下で、これまで見逃していたものである。この発見を機に、同様な母岩の標本を見直してみたが、これ以外には確認できなかった。この母岩からは、イットロチタン石、チタン鉄鉱、鋭錐石が確認された。この調子なら、鋭錐石と同じ組成のルチルや板チタン石も発見できるかもしれない。