新鮮な「阿武隈石」。写真上面は黒雲母の付いている面で、阿武隈石は長石に埋もれて産する。
色は、暗い褐色で、ガラス〜樹脂状光沢を呈する。
同定上でのイットリア石との違いは、色と割れ方。イットリア石はくすんだ緑色で、割れ方はガラス状に比較的大きく割れる。阿武隈石はそれに比べると細かな割れ口を見せる。
フェルグソン石とは色が似ているが、結晶の形は全く異なる。また、光沢がフェルグソン石はギラッとした亜金属光沢である点で区別ができる。
阿武隈石はイットリア石と良く共生し、イットリア石は風化すると茶褐色に変色することから、野外での区別は意外と難しい。このような標本には白色のテンゲル石が付くことが多く、テンゲル石の存在は阿武隈石を見いだす手がかりとなる。