水晶山の鉱物に戻る





Britholite  ブリソ石  化学組成  (Y,Ca)(SiO,PO(OH,F)

 水晶山のズリから採取した鉱物を実体顕微鏡で観察していると、石英がピンク色に染まった部分を見つけることがある。よく観察すると、石英自身がピンク色をしているのではなく、石英に赤みがかった、しかも微細な別の鉱物が無数に入ることで、石英を染めていることが分かった。その様子は、石英に無数のピンク色の泡が入っているかのようであった。ただし、とても微細な鉱物のため、これまで鉱物種を確定することができなかったのであるが、約1cm程の大きな結晶を得ることができたので分析すると、ブリソ石であることが分かった。水晶山のブリソ石といえば、イットリウムブリソ石=阿武隈石で、濃い褐色の鉱物であるが、同種であることがわかったのである。おそらく成分的な違いが大きいのであろう。イットリウムを含む鉱物の多い水晶山であるから、当ブリソ石もイットリウムが多い可能性が高い。そうなると、これも阿武隈石と呼ぶべきなのであろうか。もう少し分析が必要なようである。
 阿武隈石とは、外観が大きく異なるので、別分類にしておく。化学組成は、仮にBritholite-(Y)のものを表記した。

ブリソ石その1