ブリソ石その1で「ブリソ石の小結晶が石英に入り込むと、石英全体がピンク色に染まる」という趣旨のことを書いたが、そのピンク色に染まった石英を紹介するのが遅れてしまった。この標本がそれである。
母岩は、長石、石英、イットリウムの卓越した褐簾石からなり、一部にブリソ石が確認できる。拡大すると、石英に無数の泡が入り込んだかのごとく、ブリソ石の小結晶が確認できる。よく見ると長柱状をしているのだか、この写真からは確認しにくい。
このような「泡が入っているような石英」の存在は、かなり以前から気付いていたのであるが、分析できるような標本が無かったため、鉱物名の確定が遅れてしまった。
なお、ブリソ石の化学組成は、成分の分析がまだであるので、仮にBritholite-(Y)のものを表記した。