2010年の末になって、ようやく、ルーペでも確認できる大きさの板チタン石が見つかった。ミリサイズではあるが、結晶面や条線がはっきりと確認できる。
水晶山では板チタン石は大変めずらしい。
以前採集してあった石英を主とする岩石を割ったところ、極小さな晶洞が現れた。小さくて一見するとシミのようにしか見えない小さな晶洞である。これを実体顕微鏡で観察したところ、白雲母の六角形の結晶や水晶と共に板チタン石を確認するに至ったわけである。一つの面に雲母を伴っていたために採集したものだが、特に特徴のない石英塊からの産出であったため、驚きであった。
初めに見た時には、見慣れない結晶であったため、同定は難しいように思われたが、「板チタン石その3」の結晶を発見するに至って、間違いなく板チタン石であることが確認できた。