水晶山の鉱物に戻る







Fergusonite-β  ベータ・フェルグソン石  化学組成 YNbO

 ベータ・フェルグソン石を産する母岩には幾つかのタイプがある。この標本の場合は、灰重石、石英、黒雲母が主体を成す母岩である。
 水晶山からは灰重石が産出するが、量はそれほど多くない。灰重石が産出する場合も大きく2つのタイプがある。一つ目は、石英塊に伴うもので、比較的大きな石英塊に黒雲母が伴う場合、石英が黒雲母と接する部分に灰重石を伴う場合がある。二つ目は、褐簾石-(Y)と鉄礬石榴石を主体とする母岩に伴うもので、褐簾石-(Y)に埋もれるように産出する。
 ベータ・フェルグソン石は、どちらのタイプの灰重石にも伴い、灰重石に埋もれている場合が多い。不思議なのは、同じ母岩でも、灰重石から離れた部分にはフェルグソン石は出ない。灰重石にしか伴わないことである。
 灰重石とベータ・ファルグソン石が晶出する際、その周りの鉱物も含め、どのうような挙動を取っているのか、興味が尽きない。

 写真の上から1,2枚目は同じ部分を撮影したものであるが、灰重石から石英に向かってベータ・フェルグソン石がつきだしている。写真3枚目のように、灰重石に埋もれている場合が多いので、珍しい出方だと言える。
 灰重石は淡い黄色をしていることから、野外であっても石英とは容易に区別できる。

ベータ・フェルグソン石その3