写真中央の結晶は、イットリウム褐簾石(allanite-(Y))や鉄礬柘榴石を主とする特殊な母岩中に見られるヒンガン石であり、灰黒色のイットリウム褐簾石の空隙にあって、透明感のある水色が印象的である。
水晶山産のヒンガン石は、無色〜淡緑色〜淡青色を呈し、透明感のある結晶が多いのが特徴である。
年末に、一度廃棄処分にした岩石を再度顕微鏡で確認する作業をしている際に見いだしたもので、採集したのは10年くらい前になる。そういうこともあって、母岩が小さく、さらにヒンガン石も小さいことから、標本として見栄えがしないのが難点である。