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ホシオビコケガ(星帯苔蛾)
学名:Parasiccia altaica (Lederer, 1855)
科:ヒトリガ科(Arctiidae) コケガ亜科(Lithosiinae)   
属:Aemene Walker, 1854

(2005.08.28 福島県浪江町高瀬川渓谷)
 地衣類の観察のため、道路沿いの石垣を見ていた所、大きさ1,2cmくらいの小さな蛾に目がとまった。どこかで見たことがあると思い、とりあえず写真を撮ることにした。帰宅して文献を調べてみると、「地衣類初級編2004年度版、山本好和、2004」に出ていた。名前もホシオビコケガということがわかった。
 この蛾は、幼虫時、地衣類を食草とする特徴がある。
 白地に黒の星が入る模様は、よく石垣に使用される花崗岩では目立たないであろう。

ミノムシに近縁の虫?


 (2005.08.28 福島県浪江町高瀬川渓谷)
 ミノムシに似ているが、何という種なのだろう。いわゆるミノムシではなく、近縁の種でろうと思われる。
 この虫は、石垣や石碑に付き、ミノの部分に地衣類をまとっている。地衣が付く岩の中にあって、うまく擬態している虫である。 

シラホシコヤガ(幼虫)
学名:Enispa bimaculata (Staudinger, 1892)
科:ヤガ科(Noctuidae) コヤガ亜科(Acontiinae+Eustrotiinae)
属:Enispa Walker, 1866
(上が頭部)

(左が頭部)
(2005.09.17 福島県いわき市三和町三和中学校)
 地衣類にも小さなのものがあり、その観察には目をこらして樹皮や岩石上を見つめることになる。
 そんなとき見つけたのがシラホシコヤガの幼虫。地衣を食し、体表に餌である地衣を貼り付け、擬態している。よく見ると、3対の襞(ヒダ)が幼虫の背中に並んでおり、さらに尾部には飛行機の垂直尾翼のような襞が立っており、なかなかかっこいい姿をしている。