岩代石の色は、写真のような1mm以下の小さな結晶では、半透明、こはくのような飴色を呈する。この標本は、板状、飴色の結晶が数枚重なっている。これがもっと大きくなり、1cmに近くなると、黒光りするようになり、最初に発見された岩代石のようになる。最初の標本も、大きめの結晶が重なり合い、さらに、小さな結晶もこれに重なるように連晶している状態であった。結晶の重なりが偶然にも4方向にバランス良く配置されていたため、一見、十字石のように見えた。模式標本となったその標本も、分析のため十字の形は残っていないのが残念である。
大きく黒光りし、形よく配置された標本は魅力的だが、このような標本は最初のものを除いて入手できていない。