水晶山の鉱物に戻る
水晶山のズリを登っていくと山頂部分の鉱口に出ることができる。この鉱口付近には小規模ながら鉄カンラン石の露頭があり、それに伴う磁鉄鉱の近くには鉄が錆びたような黄褐色の部分がある。肉眼だと黄色い汚れにしか感じられないが、黄褐色の部分を実体顕微鏡で観ると、この標本のような鉄明ばん石が見つかる。虹色に輝く鱗鉄鉱を覆うように晶出しており、黄色土状から飴色で透明感のあるものまである。球の大きさは1mm以下であまりに小さく、明瞭な結晶面を確認することはできないが、球状でキラキラ輝く姿は美しい。