水晶山の鉱物に戻る



Lepidocrocite  鱗鉄鉱  化学組成 Fe(OH)

 いわゆる虹の石である。全体としては鱗鉄鉱、もしくは針鉄鉱からなる。これらは、成分は同じであるが、結晶構造が異なるため、異なる鉱物になる。正確に区別するためには、X線回折分析が必要である。写真のように美しい虹色を呈しているが、これは薄い酸化膜による光の干渉が原因であり、雨の日に油の膜が虹色に広がっている現象と同じものである。
 鉄カンラン石、プロトマンガノ鉄直閃石、磁鉄鉱などからなる岩石のすき間に産し、腎臓状、赤褐色で元々は地味な鉱物であるが、時にこのような美しい姿を見せる。

鱗鉄鉱その1