久しぶりに、「オッ!オッ!、これは・・」と期待を持った名称不明鉱物であった。水晶山では見かけない色、光沢、結晶形を持っているため、期待してしまった。
全体が黒光りをしていて、いかにも希元素を含む鉱物らしい色と光沢をしている。また、サマルスキー石を思わせるような結晶で薄い板状であることから、まさか、いわゆる「武石」であろうとは、考えも及ばなかった。
成分の分析をしたところ、主成分として鉄が含まれ、ウラン、トリウム、タンタル、ニオブなど期待した成分は含まれていないことがわかった。ただし、砒素が含まれているという特徴があった。
おそらく、石英に包まれた硫砒鉄鉱が酸化したものだと思われる。
X線による結晶構造の分析はしていない(分析する予定もない)ので、燐鉄鉱と針鉄鉱の2つの鉱物名を示しておく。