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Pharmacosiderite 毒鉄鉱 KFe(AsO)(OH)・6−7HO 

 水晶山の毒鉄鉱である。当鉱山からは初の確認であろうと思われる。
 ある時、ズリから拳程の大きさの大変重い赤褐色の塊が出てきた。色と重さから、鉄かんらん石を疑ったが、割ってみると、一部元の鉱物である銀色の鉱物が残っており、塊状の硫砒鉄鉱が全体的に酸化したものであることが分かった。つまらないものではあるが、一応持ち帰ってみたが、サビの塊であることもあり、しばらくほっておいた。
 その後、これを割り、実体顕微鏡で詳しく観察したところ、正方形の反射面を有する微小な結晶が確認できた。詳しい分析はしていないが、硫砒鉄鉱の酸化物から産出したことと結晶の様子から、毒鉄鉱で間違いないであろう。
 色は淡黄色〜淡緑色、透明であり、非常に微小な結晶として産する。
 このサビの塊、もっと何か出てきそうな気配を感じる。