束沸石 Stilbite
化学組成 (Ca、Na2、K2)4.5(Al9Si27O72・29H2O)
鉱山のズリを訪れたある日、表面採集のために地面を見て歩いていたときのことである。1つの長石塊が目に付いた。表面に緑色のものが付いており、もしかしたらリン銅ウラン石でも付いているのかと思ったからである。
良く見ると、なんてことはない緑色のコケが付いていただけであった。しかし、長石全体に付いているわけではなく、特定の一面にしか付いていない。肉眼的には何だか分からず、持ち帰ることとした。
実体顕微鏡で見ると、コケは極小さな水晶と、透明板状結晶が作るざらざらした面に付いていたことが確認できた。
この透明板状の結晶は束沸石で、水晶山では初見であった。大きい物の長さが1ミリ程度の小さな結晶である。