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Tengerite テンゲル石 Y(CO)-HO 

 この標本が本当にテンゲル石なのかどうかは分析が必要であるが、分析に必要な量は得られない程小さく、確実なことは言えないことから、このような白色皮膜状の鉱物は、とりあえずテンゲル石としておくしかない。
 同心円の模様を描きながら放射状に結晶しており、大きな円で約0.3mmほどの小さなものである。とても小さなものだが、このように美しいものは珍しいことから、「とりあえずテンゲル石」としておくしかなくても紹介することにした。
 鉱物の世界は、実体顕微鏡を手にすることで大きく世界が広がると感じている。単に小さな鉱物が見やすくなるということではない。「いままで見えなかったものが見える」「いままで気付かなかったものに気付くことができる」のであり、まさに、自分が認知できる世界が広がるのである。ルーペだけしかお持ちでない方にお勧めしたいし、これから鉱物を始めようという方にも是非実体顕微鏡の入手をお勧めしたい。
 ただし、いざ入手しようとしても、どのメーカーのどれが良いのか、分からない。そこで、これは是非実現してほしいのだが、ミネラルフェアなどで、各メーカーの実体顕微鏡が比較・検討できるよう展示してほしいのだ。初級者向けから、上級者向けまで、それぞれ何台かずつ比較できると嬉しい。倍率や色収差、像の歪み、使い心地など、実際に使ってみないと分からないことが多い。結構高額なものだから、じっくり検討したいのである。関係業者の方々、御検討いただきたい。