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Thalenite タレン石  化学組成 Si10(OH) 

 タレン石は水晶山を代表する鉱物と言って良く、長石に埋もれるかたちで数cm大の立派な結晶を産したことで有名である。といっても、水晶山でも非常に希な鉱物で、ズリの中から見つけ出すのは、ほぼ不可能であろう。(鉱山稼業時には得やすかったのであろうが・・)
 この標本は、イットリウム褐簾石や鉄礬石榴石を主とする母岩の中に、イットリム褐簾石が作る空隙に生じていた「不明鉱物」であったが、分析の結果、タレン石であることが確認された。一般的な水晶山のタレン石の特徴は、煙水晶の様な灰色透明で、風化の進んだ部分が白濁したオパールのようであるが、このタレン石は淡い褐色透明である。