Tｈａｌｅｎｉｔｅ タレン石 化学組成 Ｙ３Ｓｉ３Ｏ１０（ＯＨ）
風化が進んだタレン石の小塊であり、煙水晶のような透明感のある部分は見られず、蛋白石のように白濁している。
母岩は、暗緑色の長石で、水晶山ではよく見られるタイプである。このような暗緑色の長石を割ると、黄鉄鉱や硫砒鉄鉱をよく含み、これらの鉱物や鉄成分が長石の色に関係しているのかもしれない。
タレン石をよく観察すると、乳白色の部分の周りに暗青色を呈する部分が見られる。タレン石がさらに風化したものなのか、判別が付かない。このような部分を分析して調べてみるのも楽しみな標本である。
残念ながら、この標本のように、長石に埋もれるタイプのタレン石をズリから見出すことは難しく、購入に頼るしかない。しかし、希産鉱物のため、標本市場に出ることが少なく、入手を困難にしている。