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 Uranophene ウラノフェン 化学組成 Ca(UO)(SiOOH)・5H 

 この写真は、鉄雲母にサンドイッチされた長石の割れ目に結晶したウラノフェンである。鉄雲母と長石が接する部分には、イットリア石、フェルグソン石、トロゴム石が見られ、比較的風化が進んでいる。
 水晶山産のウラノフェンの標本は意外に少ない。特に、針状結晶が明瞭なものはごく少なく、まともに結晶が見えるのは、当標本含め2,3点ほどである。
 この標本は、第一水晶山産のものであるが、一時期、第二水晶山の北斜面に位置するズリから、比較的多産した。ここからは、燐銅ウラン石の結晶や褐簾石の巨大な結晶を産し、多くの人が訪れたのだが、私は好きになれず、ほとんど訪れたことがない。というのも、北斜面で、夏でも日差しがあるのは短時間で、周りは背の高い木に囲まれているため全体的に暗い。ましてや、冬の時期は薄暗く、なんとなく気持ちが悪いのである。やはり、青空が広く見える第一水晶山が、すがすがしく、鉱物採集には気持ちがいい。