Yttrialite イットリア石 化学組成 (Y,Th)2Si2O7
この標本は、典型的なイットリア石の産状を示すもので、大型のものである。
イットリア石は、黒雲母にはさまれる長石に黒雲母と接して産出し、この標本ではトロゴム石やフェルグソン石を伴っている。上の写真で、黒雲母部分(上面)に黄色く見える部分は橙黄色ロウ状を呈するトロゴム石で、主にイットリア石の風化により形成されたものだと考えられる。フェルグソン石は写真上では目立たない。
阿武隈石も共に産するということだが、阿武隈石は外見上の特徴に乏しく、判別はできていない。
鉱山が閉山している今、これだけ大きく、イットリア石が一面に付いた標本は、なかなか得難いものになっている。