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福島県いわき市産 玄能石 :（Ｇｌｅｎｄｏｎｉｔe（Ikaite仮晶）） 化学組成　ＣａＣＯ３ 長さ１２．３ｃｍ

福島産いわき市産の単結晶型玄能石である。 　１つの露頭から単結晶型、コンペイトウ型、そしてノジュール型の玄能石が産出するが、それぞれ出てくる層が異なる。コンペイトウ型が出てくる層では、ほとんどコンペイトウ型の玄能石ばかりが出てくる。新潟や長野では単結晶型が多いようだが、玄能石の成長環境によって、どの型ができやすいかが決まるのであろう。 　この標本は、比較的小型の単結晶型玄能石で、質の良い標本である。 　このような単結晶型は、破損しやすい欠点がある。単結晶型玄能石が含まれているのは、露頭の数ｍ上方にあり、それが自然に落ちてきて初めて標本を入手できる。玄能石が落下する際、コンペイトウ型であれば、コンペイトウの複数の凸部分が斜面にぶつかり、斜面を転がりながら落ちてくることになることから、１つの凸部分への衝撃が分散されるため、破損しにくい。 　一方、単結晶型は、落下の仕方にもよるだろうが、凸部分は２カ所しかなく、落下の衝撃が分散されず、先端部分が破損してしまうことが多いということだ。 　幸いにして、この標本には破損はない。