Gennoishi Ikaite仮晶 CaCO3
玄能石の中には、ノジュールの中から頭を出したタイプがある。
ノジュールの形はつぶれた「まんじゅう」型であるが、つぶれの方向は地層の層理面である。
玄能石の結晶ののびる方向は、必ずと言っていいほど地層の層理面方向か、それより上部方向で、層理面より下の方向に結晶が伸びることはほとんどない。これは、結晶環境を反映しているものと考えられる。
おそらく、より堆積物が柔らかく自由に結晶できる方向に成長したものと考えられる。
また、ノジュール型玄能石には、標本のように大型の貝化石を伴うことがある。
炭酸カルシウム源や堆積環境を推測する上で、化石も重要な手がかりになる。
同地層からは、冷たく比較的深い環境に住む化石が多数発見されており、玄能石の成長には比較的冷たい環境が必要であることがわかる。
標本の正面に見えている貝化石はマイヤ(Mya
grewingki)と思われる。